リサイタル

 演奏家にとってリサイタルは、通常のコンサートとは違い、練習の成果を披露することにより、自己の存在を世に問い、また自身に問いかけると言うような意味合いを持っている。その意味では演奏家にとっては最も大切なコンサートといって良いだろう。徳島在住の音楽家によるリサイタルも多く開催されているが、コンスタントにリサイタルを開催している奏者はそう多くはない。

 10月15日、羽ノ浦町コスモホールで開催された「庄野龍夫リコーダーリサイタル」は、そう言う意味でも、高く評価されるべきコンサートであった。リコーダーは、小中学校の音楽教材では「たて笛」として知られ、誰しも一度は手にしたことのある楽器だ。歴史的な古楽器としても知られているこの楽器は、親しみやすい反面、弾きこなす人は以外と少ない。庄野さんは、全日本リコーダーコンクールで第一位を受賞するなど、リコーダー奏者として全国的にも高い評価を得ている。一昨年は大阪、東京でのリサイタルで、徳島では聞くことは出来なかったが、今回は四年ぶりの徳島でのリサイタルと言うことで、多くの聴衆がコスモホールを訪れた。
 10月15日、羽ノ浦町コスモホールで開催された「庄野龍夫リコーダーリサイタル」は、そう言う意味でも、高く評価されるべきコンサートであった。リコーダーは、小中学校の音楽教材では「たて笛」として知られ、誰しも一度は手にしたことのある楽器だ。歴史的な古楽器としても知られているこの楽器は、親しみやすい反面、弾きこなす人は以外と少ない。庄野さんは、全日本リコーダーコンクールで第一位を受賞するなど、リコーダー奏者として全国的にも高い評価を得ている。一昨年は大阪、東京でのリサイタルで、徳島では聞くことは出来なかったが、今回は四年ぶりの徳島でのリサイタルと言うことで、多くの聴衆がコスモホールを訪れた。

 今回は、無伴奏のリコーダー1本でのソロリサイタルだった。コスモホールの持つ音響特性はリコーダーの音色に適度な響きを与え、潤いのある芳醇な響きがホール全体に響きわたった。当日体調が思わしくないと聞いていたが、リコーダーを手にした庄野さんはそんな不安を一掃する演奏で終始聴衆を魅了した。

 中世から、現代にわたる数々の楽曲、いずれも何度も聞き慣れた曲であるにもかかわらず、新鮮な感動を与えてくれた。演奏は年と共に変わるものである。第一回目のリサイタルは確か二〇年程前だった。以来ずっと聞かせていただいているが、自在に動く指からほとばしる速いテンポの難曲も、ゆったりと余裕を持って聴こえてくるあたりは、相応の年を経て円熟味を増してきた結果だろう。
 中世から、現代にわたる数々の楽曲、いずれも何度も聞き慣れた曲であるにもかかわらず、新鮮な感動を与えてくれた。演奏は年と共に変わるものである。第一回目のリサイタルは確か二〇年程前だった。以来ずっと聞かせていただいているが、自在に動く指からほとばしる速いテンポの難曲も、ゆったりと余裕を持って聴こえてくるあたりは、相応の年を経て円熟味を増してきた結果だろう。

 長い年月の中で磨き上げられた、一時間半のコンサートは、聴衆にとっては大変充実した贅沢な一時だったに違いない。友人でもある庄野さんの円熟したリサイタルを目の当たりにして、うれしくもあり多くの事を教えられた一時でもあった。
 長い年月の中で磨き上げられた、一時間半のコンサートは、聴衆にとっては大変充実した贅沢な一時だったに違いない。友人でもある庄野さんの円熟したリサイタルを目の当たりにして、うれしくもあり多くの事を教えられた一時でもあった。



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