番号非通知とは?

 先日NTTから「番号非通知のご案内」と書かれた一通の封書が届いた。「非通知?」とっさには何のことか理解できなかったが、良く読んでみて、新しいサービスとして電話をかけてきた相手の番号が受話器に表示され、場合によっては選択的に電話にでる事も出来る、番号通知のサービスを始めるにあたっての、加入者の意志を調べるための案内書であることがわかった。
 サービスを受けるには利用料金が必要だ。利用料金を払っても、かけてきた相手方に番号を知らせる意志がないと役に立たない。そこで多くの加入者に番号通知を周知徹底させるために考え出されたのが、今回の案内書だろうと思われる。わざとわかりにくく書いてあるとしか思えない。この通知の返事を出さなかった場合には、自動的に番号通知を承認したことになり、ダイヤルする際に、決められた番号をあらかじめ回さない限り、自分の番号は相手に知らされることになり、番号通知を積極的に肯定したことになってしまう。NTTでは、これを「通話ごと非通知」というのだそうだ。

 いたずら電話、迷惑電話、間違い電話などに悩まされている人にとってはこうしたサービスは有効だが、一般家庭で月々の利用料金(他に特別の機器も必要)を払って利用する割合がどのくらいいるのか見当もつかないが、特定の人が利用する番号表示サービスに対して、殆どの加入者の番号が自動的に通知されてしまうシステムが現在進行している。

 もちろん、「回線ごと非通知」という、わかったようでわからない設定にすると、通常の使用では番号は通知されなくて、決められた番号を回した場合に限り、相手に番号が知らされることにはなる。どちらが便利かは利用者によって異なるので、その意志を加入者に確かめるというのが今回の目的であろうと思われるが、現在までにそういう機能がなかったことを考えると、本来ならば番号を通知されないのが標準であり、番号を通知したい人だけがその旨の意志表示をするべきではないだろうか?

 加入者宛の通知には「番号通知のご案内」として、番号通知の是非をも問うアンケート形式にし、もっと理解しやすくすべきであっただろう。一方的に番号通知のメリットを強調し、しかも加入者には非常に理解しにくい言葉によって、了解をとるというやり方にはNTTのおごりが見えてならない。



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