PHS販売店?

 一昔前、百科事典ほどもある箱を耳にあてがっていた携帯電話は、あれよあれよと言う間に小さくなり、誰でも買えるようになり、町を歩けばそこここに立ち止まり、あるいは歩きながら電話をしている姿に出くわようになった。街の至る所に、携帯電話とPHSの旗をたてた小さなショップが並ぶようになったのも数年前のこと。

 当初普及していた携帯電話の対抗機種として、PHSは小型軽量、安価を売り物に携帯電話市場に登場した。ユーザー獲得が、後々の通話料金収入の決め手という事で、PHS各社は殆どただ同然の価格で電話機の販売合戦を繰り広げた。本来なら高価な電話機をただで配布するのであるから、会社が傾くのは当たり前。NTTがPHSから撤退する旨の発表をしたのは昨年3月、その後PHS電話会社の累積赤字は数千億円を越える金額になり、現在も増え続けているという。

 最近のことであるが、娘が使用しているPHSの調子が悪いので、買い換えようとショップに行ったが、応対に出た店員はPHSと聞いて、剣もほろろの態度であった。何軒かの店を回ったが同様であったらしい。その後、家内のPHSが古くて感度が悪いので、買い換えようとしたが、店の対応は同様で、PHSを販売しようと言う気が見られない。しきりに携帯電話の優位性を強調し、乗り換えを勧める。確か店の入り口には、PHSと大きく書かれていたはずだ。一年前にはあんなににこやかにPHSを販売していたのに、今や180度の豹変ぶり。これでは客が怒らないはずがない。それともメーカーや電話会社からPHSは売るなと言われているのだろうか?

 当初NTTも含めて、PHSの普及に躍起となる余り、無料で電話機を配り、先々の通話料による収益を見越していたわけだが、各社はこの時点で、大きな負債をかかえていたわけだ。早々と撤退を表明したNTTは、別の戦略でこの携帯通信端末作戦をくりひろげているが、被害を受けるのは一般消費者である。前述のような、現在PHSを使用している人に対するサービスの悪化はユーザーに対する裏切り、もしくは詐欺行為ではないだろうか。世界一高いと言われる日本の電話代、PHS販売店の態度、これからますます激化する通信業界の戦略合戦の中で、少しは消費者の気持ちも分かって欲しいと思うのだが..。



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